クッションとぬいぐるみの縫製について |
普通の方から見るとクッションとぬいぐるみは製作上大差がないように思うかもしれません。特に作りが簡単に見えるぬいぐるみの場合 |
私たちクッションをメインに縫製する工場とお付き合いをしていると『クッションとぬいぐるみ』の縫製工場よりも『アパレル系とぬいぐるみ』の縫製工場の方が近いように思います。一番の差は立体的に縫製する仕様に慣れていること |
クッションや枕を縫製している工場は基本的に四角や円盤状が多いため立体的に仕上げる仕様の場合に直線的な裁断物の生地を縫い合わせていくだけの場合は対応できても裁断形状が曲線の場合や生地を部分的につまんで立体的に仕上げることがあまり求められてこなかったため苦手なように思います |
また作業の手間や工賃などの違いで両方を対応するよりもそれぞれに特化した方が効率が良い時代だったために細分化が進行した結果だと思います。それだけそれぞれの需要が国内にあった証拠でもあります |
現在では数量の多い物は工賃の安い海外生産に切り替わり、国内では小ロット・短納期で対応できる・いろいろなノウハウを持つ工場でないと厳しいのも現実です。ただ長い年月の中で細分化されてきたために設備や作業工程などの見直しが難しいケースが多く、簡単に対応できていないように思います |
設備面で見てもクッション材を充填する口の大きさが対象的です。クッションは大量に多くのクッション材を効率良く短時間で充填したいため吹込み口は大きくしているケースが多いです。ぬいぐるみは性質上充填口を目立たなくしたいために小さくしているケースが多いです |
そのことからもクッション材を充填する機械そのものが全く違うものになっています。機械の仕様もそれぞれに合わせて変遷を辿っています。そのためにどちらの対応もするということが難しくなっているのです |
お互いに効率を求めた設備を完備しているため、それぞれの物を手掛けたくても設備が作業効率とミスマッチしているため効率が悪く見積り工賃で差が出てしまうので結果的に需要と供給のコストバランスが合わないため対応できないのです |
ノウハウ的な部分は知識や経験を増やしていけば対応できても設備面での対応はこのご時世で政府や自治体の補助金が活用できても積極的に設備投資をできる工場も少ないと思います |
また実際に人材面でも縫製する方も同じ物を繰り返し作業することと毎回手順やコツが変わる物では対応できる人も変わってきます。その配置転換や教育面はどのようにするのかまで話が及んできます |
上手く器用な縫製作業者の方がいて、過去にいろいろな商材の縫製経験があり、かつ設備も応用が利いて対応範囲が広い物があってはじめて両方の物がそれぞれのコストを含めてはまる状態になります |