生地の縫製は裁断で決まる |
これは大げさではなくほぼその通りなのです |
縫製する人たちは縫いしろ10mm・折り返し3mmなどほぼ正確に縫製していきます。ほぼというのは生地の伸縮性に左右される部分があるからです。それを除くと手馴れている職人さんほど正確に仕上げます |
つまり裁断時に3mmずれていると仕上りも3mmずれるケースが多くなります。特注品の1点ものや試作品などは縫製する人も仕上りサイズを1つずつ確認することがありますが量産する場合にはそこまで確認していないケースが多いように思います。数cmの裁断サイズが違えば縫製する時でも気づけるでしょうが数mmの場合は難しいのではないでしょうか |
予め裁断サイズが大きいと分かっていれば通常10mmの縫いしろを更に内側を縫うことで仕上りサイズを調整することはあります。こちらの指示もそのようにすることがあります。裁断をやり直す手間よりも縫製する方に調整をお願いした方が早い場合ですが |
以前に縦横7mある大きなオペラ幕を縫製工場にお願いした時に6畳一間しかないのに事前に寸法図(裁断図)を作成した上で生地の長さを測りながら裁断位置を決めながら見事に仕上げた職人さんがいました |
基本的に大きい幕を縫う職人さんで上手く仕上げる人は縫製は粗い(ご愛嬌)が裁断は慎重に作業する方が多いように思います。それだけ裁断が重要なのだと毎回思いました。打合せもどのような展開図にするか・裁断にするかの方が多いように思います |
縫製自体はあくまでも作業であって、それまでの下準備がいかに上手くできているかによって仕上り具合が変わってくるように思います。縫製はあくまでも最終調整程度になります |
過去の経験からサイズが仕様書と違う仕上りになっている場合には縫製の問題よりも裁断や生地そのものに問題があり、そこでこちらで調整・指示できていなかった時の方が多いように思います |
なのでこちらでも縫製工場に立ち会う場合でも余程初めて縫ってもらう生地でない限り縫う所よりも裁断する作業を重視してみています |
まぁ縫う人たちは黙々と作業をこなしたいタイプの方が多いのでジロジロ見られながら縫うのを嫌がる人も多いのであまり見ないようにしていることもありますが |
もちろん下準備の中には生地によってどのように縫っていくかというものも含まれるので縫製自体をおろそかにしているわけではありません |