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創業69年の経験と実績のもと生地手配から加工・プリント
縫製まで請負うファブリック・エージェンシー(生地の代理店)

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生地の規格(サイズ)について
生地の規格について
【生地(布)の幅】
品名が違えば同じ種類の生地でも変る可能性があります。品名が同じでもメーカーが違っても変わる可能性があります
【生地(布)の巻き数】
通常巻き単位のことを「反(たん)」と言います。1巻きであれば1反(いったん)
○△m(らん)表記について
生地により150cm×50mと表記してある場合、150cm幅の生地で1反が50mですよという意味です

そこに150cm×50m乱と表記ある場合には、1反が50m前後(49mとか52mになることもあります)という意味です。この表記がなくても多少誤差があると認識しておくほうが良いかと思います。

ちなみに弊社で『原反(げんたん)』と言う場合、生地の反物(たんもの)そのままの状態を指します。1反(いったん)そのままの状態。『1反=1巻き=1ロール』のことです

生地巾の違い
その生地を使用して製作する布製品によって変わることが一般的です。アパレル向けは89cm巾・112cm巾が一般的です。これは前身・後身など複数のパターンを組み合わすことから、広巾(ひろはば)の必要性があまりないのと生地の取扱い易さからきていると思われます。

テーブルクロスやカーテン・寝装品向けは150cm巾以上の広巾の物も数が多く特にテーブルクロスはテーブルの天板にハギ目(継ぎ目)が出ないためにも広巾の需要があるため300cm以上の生地巾の物もあります。ただしアパレル向けの生地だからテーブルクロスに向かないとかという訳ではありません。

ただ生地巾などの制限から使用できる生地が限定されるケースが出てくるというだけです。また化繊では例えば240cm巾の生地をスリッターして120cm巾として汎用性を持たせている生地もあります
※『幅(はば)』を『巾(はば)』と記載しています。これも繊維業界では多く使用されています

生地の巻き数の違い
これも生地巾同様、使用される業界・用途によって変わることが多いです。一番多いのは50m乱という物が多いです。プリント業者向けの生地は原反(げんたん)単位でプリントするので100m巻き・200m巻き生地というのもあります。

逆に120m巻きを3分割して40m巻きにするいわゆる『小反(こたん)』と呼ばれる規格にすることもあります。小反にする前の原反を『大反(おおたん)』と呼びます。生地を巻き直しているため小反はその手間代分大反よりも単価は高くなります。小反としての販売がない生地でも巻き直して納品することも可能です(巻き直し代が別途掛かります)。

ただし生地は乱m(メーター)のため120m乱と表記してある生地でも116mや125m巻きの物もあり同じ3等分でも長さが変わってしまいますし、40mで巻き直すにも、2反と半端とか3反と半端というようにばらつきが出てしまいます

生地の名称について
生地の名称は同じ生地・同じ種類でもメーカーが違うと名称も変わることがあります。また同じメーカーでも販売国別に名称が変わるケースもあります。

商社・問屋・販売店がそれぞれの在庫管理のためにメーカーが付けている名称・品番とは別の名称・品番を付けている場合があります。メーカーも卸し先によって変えている場合もあります。そのため弊社でも初めて聞く名称や品番も未だにたくさんあるため探すのに時間が掛かる場合もあります。

また話は変わりますが『白布(はくふ)』というような敬称の場合には、その会社によって「天竺」「キャラコ」「ブロード」「シーチング」「シーツ地」などと違うため、こちらで一概に判断ができないケースもあります

生地の織りについて
平織り(ひらおり)」「綾織り(あやおり)」「朱子織り(しゅすおり)」という3つの織り方が基本的です。経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を織っていく時に、交互に織っていくのが「平織り」になります。

見た目も縦横交互に糸が織ってあるのがわかります。「綾織り」と「朱子織り」は見た目の区別がつきにくいですが、「平織り」との違いは生地が斜めに織っているように見える点です。また模様をあらわすような織り方をジャガードクロス・ドビークロスなどと言います。

 「平織り」の代表的な生地(布):ブロード・ポプリン・ネル・キャンバス・オックスなど
 「綾織り」の代表的な生地(布):綿サテン・カツラギ・ツイル・バーバリーなど
 「朱子織り」の代表的な生地(布):朱子無地など

また『190本ブロード』とか『210本ブロード』など○○本と記載されている場合は生地の打ち込みの本数を表しています。打ち込み本数が少ないと使用する糸の量が少なくてすむので同じ糸を使用していれば生地単価は安くなります。

打ち込みの本数を多くすれば糸の量が増えるだけでなく生地密度も高くなるので触り心地は滑らかになります。ちなみに生地の厚みに打ち込み本数はほとんど関係なく生地の厚みは織る糸の太さと関係しています。『20sカツラギ』とか『30番手カツラギ』などと記載している場合には織っている糸の太さが違うので生地の厚みが変わります。

数字が大きくなるほど糸番手は細くなるので、生地は薄くなります
(ミシン針は逆に数字が大きくなるほど太くなります)

余談ですがデニムは『10オンスデニム』など『オンス』で単位を表しますが、これは1u当たりの重さで表されています。ジョーゼットなど薄い生地も『30Dジョーゼット』や『45Dジョーゼット』など『D=デニール』という単位で表されます。デニールは数字が大きくなるほど厚く・張り感があります

生地のサンプルについて
まず生地のサンプルは生地を購入することが大前提になります。その上で生地のサンプル手配は基本的にメーカー・商社によって考えが違うため提供の有無・条件があります。生地の色見本帳を製作している商品(品番)は見本帳の提供になることが多いです(1冊のブックタイプだとサンプル帳でも有償になります)。

大きなサイズで色を確認したい場合は有償で1m購入して頂くケースが多いです。また特定の品番・色(定番の白・黒)のみA4サイズやハガキサイズなどで提供してもらえることもあります。

弊社でも社内にある品番・色であれば大きさを問わなければ無償で提供することは可能ですが、それは取扱いのほんの一部のみになります。そのあたりを踏まえて生地サンプルについてお問合せ頂ければと思います

生地の不良品について
生地は原糸を織っているか編んでいる物になります。基本的に繊細な物が多いためキズやシミなどが反物の時点で付いている可能性があります。

日本紡績検査協会の検査基準でも1反55mにつき6ヶ所までがA反となります。そのため生地の取都合・生地の使用方法によっては想定よりも多く生地が必要になる可能性があります。ある程度予備をみた上で必要数量を算出して下さい。

特にカット販売で3m以上の長いものを1枚物で使用する場合にはどこのメーカー・商社も保証してもらえません。1・2mであれば裁ち切りを考慮してもらえる可能性が高いですが絶対ではありません。海外産の生地では普通に生地を縫製して繋ぎ合せてあったりФ30cm程度の大きな穴が何か所も空いていることもあります。

又生地色がサンプルと納品物で違うこともあります。これは染める際の水の品質によることもあるので一概にわざと違う色で染めているとも言えません。国内の染色でも染めるロットが変われば色が変わることは普通にあります(※それをロット違いと我々の業界では言います)。

特に海外物は商習慣も異なるため返品や返金に応じないことも多いので予め不測の事態を想定して下さいとしか言いようがないことご了承下さい

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ディスプレイ事業